街ネタコーナー「日本の石油王」の生家《久寛荘》が売りに出ているようです！（後編）

2022.8.26更新

街ネタコーナー「日本の石油王」の生家《久寛荘》が売りに出ているようです！（後編）

西山町石地の海辺にある「久寛荘（きゅうかんそう）」。
日本石油株式会社（現在はENEOSホールディングス株式会社）の創設者であり初代社長をつとめ、「日本の石油王」と呼ばれた内藤久寛（ないとうひさひろ/1859-1945）の生家です。
1980年から群馬県・多野藤岡広域市町村圏の臨海学校として多くの方々に利用されてきましたが、コロナ禍と建物の老朽化で臨海学校事業が廃止となり、2021年3月末に閉鎖。今回、その土地と建物等が一般競争入札による売却に至りました。

シーズン柏崎は、現在、久寛荘を所有する、多野藤岡広域市町村圏振興整備組合の許可をいただき、特別に久寛荘の中へおじゃましました！
後編では、現在の久寛荘の内部をたっぷりとご紹介します！

久寛荘は、敷地の中に、風情ある日本家屋の「本館」と、臨海学校用の施設として建てられた「新館」からなっています。

手前が「本館」です。後ろに見える緑色が「新館」で、新館の屋根の上には本館の景観に合わせて瓦が敷いてあります。

お客様用の玄関を上がると、和室が広がっています。

こちらは明治天皇行在所（あんざいしょ）。明治天皇が北陸巡幸の際にご昼食に使用されたお部屋だそうです。柏崎市の文化財に指定されています。

和室からのはお庭を眺めることができます。

館内のいたるところに風情を感じます。

こんなに広い大広間もありました！立派ですねぇ。

このほかにも、２階には昔お客様がお泊りになったお部屋やお供の方が使ったお部屋などがあるそうです。

本館の前に広がるお庭には、見上げるほど大きな明治天皇駐蹕碑（ちゅうひつひ）。
こちらも柏崎市の指定文化財で、碑文はあの大隈重信の作だそうです。

久寛荘には柏崎市の指定文化財が３つもあり、道路に面したあの立派な長屋門も柏崎市指定文化財となっています。

そして、本館のすぐ後ろ（海側）には臨海学校として使われた「新館」があります。

玄関を入ると広いロビー。

窓の外には、日本海が広がります！　海、近っっ！！！

およそ200名が利用できる広～い食堂。もちろんカーテンを開けばオーシャンビュー！！

海辺で遊んだ後は、建物隣接のシャワーで砂を落として、

そのまま大浴場へゴー！！！

館内にはこんなレトロな自動販売機が残されていました。

２階は客室になっています。１部屋19畳の広～いお部屋が12室あります。

客室からの海の眺めも最高～！！！

なんといっても、新館と海がこの近さ！海を楽しむには最高の場所です。

サンセットタイムには、日本海に沈む大きな夕日を真正面に見ることができるそうですよ～。

今回久寛荘を案内してくださった板谷さんは、現在も定期的に建物の中を換気したりお庭の手入れをしたりと大切に管理を続けていらっしゃいます。
板谷さんのお話では、板谷さんの祖父が内藤家の番頭だったご縁から、西山町にすすめられ、1957年（昭和32年）ごろから割烹旅館「久観荘」として営業。当時の石地は、新潟県内の海水浴場ではトップクラスの賑わいで、旅館も流行っていたそうです。
その後、群馬県・多野藤岡広域市町村圏振興整備組合に売却し、1980年に旅館跡地に臨海学校（新館）が出来ました。
夏にやってくる子供たちのために新たに畳替えをして準備していたそうですが、コロナ禍によって、その畳は一度も使われることなく「久寛荘」は閉鎖を迎えました。

今回、取材に応じてくださった多野藤岡広域市町村圏振興整備組合の小島さんは「海のない群馬県の子供たちが海に親しむ施設として、多くの思い出を作ることができました。建物は古くなっていますが、これまで大切に使わせていただきましたので、中はきれいなままです。地元の方のお話を聞くと、昔、こちらで結婚披露宴をされた方もおられて、皆さん色んな思い入れがあるようです。そういった思いに理解のある方に、引き続き利用していただけたら嬉しいです。」とおっしゃっていました。

予定価格は、568万円（消費税込）。
売払案内書の配布期間は、2022年８月31日までです。
久寛荘での現地説明会が、2022年9月6日に予定されています。（事前に参加申し込みが必要です。詳細は以下の多野藤岡広域市町村圏振興整備組合ホームページをご覧ください）

歴史ある久寛荘を未来へとつなぐため「我こそは!!」と思う方はぜひ・・・！！！
久寛荘の今後の行方が気になります。。。